電気通信主任技術者 過去問解説(伝送交換設備及び設備管理)まとめ

 令和元年度 第2回 電気通信主任技術者試験

 伝送交換設備及び設備管理

 

 過去問解説を以下に纏めました。

 近い年度に同様な問題が出題されている場合には、参考情報として記載して

 おります。

 

 2020年5月時点では最新の試験問題となります。

 解答に誤りが無いことは確認しておりますが、もし問題文章などの誤字等が

 あった場合はご容赦下さい。

 

 ◆問1(1)デジタル伝送方式における伝送技術の概要 

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 ◆問1(2)VoIP技術を用いた電話 

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 ◆問1(3)IPv6の特徴など 

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 ◆問2(1)イーサネットの概要www.tsushinko.com

 ◆問2(2)開口面アンテナの特徴、特性などwww.tsushinko.com

 ◆問2(3)受電システムに用いられる機器の種類と特徴

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 ◆問3(1)電話用設備における品質基準の概要www.tsushinko.com

 ◆問3(2)請負契約、工程管理などの概要www.tsushinko.com ◆問3(3)安全衛生管理の概要

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 ◆問4(1)アウトソーシングなどの概要

www.tsushinko.com ◆問4(2)システムの信頼性

www.tsushinko.com ◆問4(3)基板の信頼性www.tsushinko.com

 ◆問5(1)ログの取得方法など

www.tsushinko.com◆問5(2)JIS Q 27001:2014に規定されている、ISMS(情報セキュリティマネジ

     メントシステム)の要求事項を満たすための管理策

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 ◆問5(3)Web経由の攻撃

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 ◆問5(4)ワンタイムパスワード(OTP)などを用いた認証方式

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 ◆問5(5)ICカードチップのセキュリティ対策

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電気通信主任技術者 過去問解説(伝送交換設備及び設備管理)問5(5)

電気通信主任技術者 伝送交換設備及び設備管理

 過去問:令和元年 第2回 問5(5)

 ※日本データ通信協会 試験問題より引用

 

(5)次の問いの「  」内の(ク)に最も適したものを、下記の解答群から選び、

   その番号を記せ。

 

   ICカードチップのセキュリティ対策について述べた次の文章のうち、正しい

   もの「ク」である。

 ① ICカードチップ内の機密データを、ICカードを分解するなどして外部から読み

   取られるといったことを防ぐ能力は、一般に、フェールセーフといわれる。

 ② CPUやメモリなどが搭載されているICカードチップでは、秘密情報はメモリに

   記憶されている。メモリアクセスはCPUにより制御されており、一般に、重要

   データは暗号化され転送される。

 ③ ICカードチップに対する攻撃の一つに、リバースエンジニアリングがある。

   これは、チップの配線パターンに直接プローブを当てて信号を読み取るもの

   である。この対策として、チップの配線を多層化し重要な情報の流れるパタ

   ーンを下層に配置することが有効である。

 ④ ICカードチップに対する非破壊・受動攻撃の一つにグリッチがある。これは、

   ICカードチップの消費電流波形を解析・処理することでチップ内部の動作を

   推定するものである。この対策として、チップの回路設計段階において消費

   電流の変動を極力小さく抑えるようにすることが有効である。

 

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電気通信主任技術者 過去問解説(伝送交換設備及び設備管理)問5(4)

電気通信主任技術者 伝送交換設備及び設備管理

 過去問:令和元年 第2回 問5(4)

 ※日本データ通信協会 試験問題より引用

 

(4)次の問いの「  」内の(キ)に最も適したものを、下記の解答群から選び、

   その番号を記せ。

 

   ワンタイムパスワード(OTP)などを用いた認証方式について述べた次の文章

   のうち、誤っているもの「キ」である。

 ① OTP認証方式は、認証を行う際に一度使用したパスワードを再利用せずに使い

   捨てにするため、使い捨てパスワード方式ともいわれる。

 ② 時間同期式OTP認証システムでは、認証を行うサーバと時刻が一致している

   クライアント側のトークンなどを用い、日付・時刻とユーザの個人識別番号

   (PIN)によってOTPを生成している。

 ③ PPPなどで使用されているPAPは、チャレンジレスポンス方式による認証シス

   テムを実装している。

 ④ チャレンジレスポンス方式では、認証プロセスにおいて固定パスワードを

   ネットワークに流さないようにしているため、盗聴によってパスワードを

   盗まれることが防止できる。

 

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低圧電気取扱業務特別教育(電気工事士との違い)

目次 

  

1.低圧電気取扱業務特別教育とは

 建設業工事に関わる方には馴染みの言葉と思いますが、電気工事や電気通信工事

 などの建設業工事では、資格・免許とは別に「特別教育」というものが存在します。

 

 低圧電気取扱業務特別教育は、事業者が感電の恐れがある作業と判断した場合に

 特別教育の実施を必要としています。

 

 その内容は、低圧電気(直流750V以下、交流600V以下が対象)の取扱い業務は

 労働安全衛生規則により「危険又は有害な業務」に指定されています。

 感電災害による死亡事故撲滅のため、事業者への特別教育の実施が求められて

 います。

 

 感電の恐れがある作業

  ・低圧の充電電路の敷設若しくは修理の業務

  ・配電盤室、変電室等区画された場所に設置する低圧の電路のうち充電部分が

   露出している開閉器の操作の業務

 

 罰則

 労働安全衛生法において、特別教育が必要な作業にその教育を実施していない場合

 6か月以下の懲役、又は50万円以下の罰金が適用される場合があります。

 

2.電気工事士とは全く別物

 「電気工事士」が、欠陥工事を行ったことによる災害を防止するため、経済産業省

 より指定された筆記・実技試験を合格した者のみ電気工事を行うことが義務付けら

 れております。

 

 「低圧電気取扱業務特別教育」は、講習を受けたから電気工事を行えるものでは

 なく、感電の恐れがある低圧電気の取扱いにおいて労働者の安全と健康を確保する

 ことを目的とした特別教育となります。

 

 

3.講習会のカリキュラム

 講習会のカリキュラムには学科と実技があり、決められた時間の受講を行った上、

 実技報告書を提出する必要があります。

 実技講習は取扱う作業により、受講時間は変わります。

 

 ◆学科

  • 低圧の電気に関する基礎知識:1時間
  • 低圧の電気設備に関する基礎知識:2時間
  • 低圧用の安全作業用具に関する基礎知識:1時間
  • 低圧の活線作業及び活線近接作業の方法:2時間
  • 関係法令:1時間

 合計 7時間

 

 ◆実技

 低圧の活線作業及び活線近接作業の方法:※7時間以上

  開閉器の操作業務のみの場合、実技は1時間以上でよい

 

 

 活線作業とは電路の敷設や修理など、上記で表した作業を行う際、電圧がかかった

 状態で行うことです。

 電圧がかかった状態ですと、電線のショートにより感電の恐れがあるため、通常は

 無電圧の状態で作業(停電作業)を行うことが望ましいです。

 

電気通信主任技術者 過去問解説(伝送交換設備及び設備管理)問5(3)

電気通信主任技術者 伝送交換設備及び設備管理

 過去問:令和元年 第2回 問5(3)

 ※日本データ通信協会 試験問題より引用

 

(3)次の問いの、「  」内の(カ)に最も適したものを、下記の解答群から

   選び、その番号を記せ。

 

 Web経由の攻撃について述べた次のA~Cの文章は「カ」

 A  JavaScriptは、Webページに動きや対話性などを付加することができるプロ

   グラム言語であるが、JavaScriptを攻撃対象のWebページに埋め込み、その

   ページの閲覧者を不正サイトに誘導したり、データを盗用したりするために

   用いられる場合がある。

 B  データベースと連携したWebサイトに対する攻撃手法の一つに、クロスサイト

   スクリプティングがある。クロスサイトスクリプティングは、データベースを

   操作する言語であるSQLを使って不正にデータベースを操作することを目的と

   している。

 C  攻撃者がURLのパラメータなどにOSのコマンドを挿入し、利用者が意図しない

   OSコマンドを実行させる攻撃は、一般に、OSコマンドインジェクションとい

   われる。この攻撃を受けるとシステムに侵入され、重要情報が盗まれたり、

   攻撃の踏み台に悪用されるおそれががある。

 

 <(オ)の解答群>

 ① Aのみ正しい   ② Bのみ正しい     ③ Cのみ正しい

 ④ A、Bが正しい    ⑤ A、Cが正しい  ⑥ B、Cが正しい

 ⑦ A、B、Cいずれも正しい  ⑧ A、B、Cいずれも正しくない

 

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電気通信主任技術者 過去問解説(伝送交換設備及び設備管理)問5(2)

電気通信主任技術者 伝送交換設備及び設備管理

 過去問:令和元年 第2回 問5(2)

 ※日本データ通信協会 試験問題より引用

 

(2)次の問いの「  」内の(オ)に最も適したものを、下記の解答群から選び、

   その番号を記せ。

 

   JIS Q 27001:2014に規定されている、ISMS(情報セキュリティマネジメント

   システム)の要求事項を満たすための管理策について述べた次の文章のうち、

   誤っているもの「オ」である。

 ① 装置は、セキュリティの3要件のうちの機密性及び安全性を継続的に維持する

   ことを確実とするために、正しく保守しなければならない。

 ② 情報の利用の許容範囲、並びに情報及び情報処理施設と関連する資産の利用

   の許容範囲に関する規則は、明確にし、文章化し、実施しなければならない。

 ③ 資産の取扱いに関する手順は、組織が採用した情報分類体系に従って策定し、

   実施しなければならない。

 ④ 情報セキュリティのための方針群は、これを定義し、管理層が承認し、発行

   し、従業員及び関連する外部関係者に通知しなければならない。

 

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電気通信主任技術者 過去問解説(伝送交換設備及び設備管理)問5(1)

 電気通信主任技術者 伝送交換設備及び設備管理

 過去問:令和元年 第2回 問5(1)

 ※日本データ通信協会 試験問題より引用

 

(1)次の文章は、ログの取得方法などについて述べたものである。

   「  」内の(ア)~(エ)に最も適したものを、下記の解答群から選び、

   その番号を記せ。ただし、「  」内の同じ記号は、同じ解答を示す。

 

  OS、アプリケーション、通信機器などにおける業務プロセスの実行記録はログ

 といわれ、ログを確認することで装置の稼働状態、処理の実行状態、障害の発生

 状況などを把握できる。

  どのようなログを取得するかはそのログの使用目的を考慮する必要がある。

 システム利用者による不正利用があったときに、その利用者を特定する手掛かり

 を得るためには、一般に、利用者の「ア」とその操作記録が必要である。また、

 マルウェアがシステム設定を変更したことを知るためには、プログラムの動作

 記録を取得することが有効である。一方、ファイアウォールにはアクセス制御や

 アクセスに関する履歴を取得する機能がある。また、「イ」には、ネットワーク

 を流れるパケットを監視し、不正アクセスと思われるパケットを発見したときに

 アラームを表示し、通信記録を保存する機能を持つものがある。

  セキュリティインシデントが発生した場合、一般に、一つの装置のログだけで

 はなく複数の装置のログを突き合わせて原因究明を行う必要がある。ログを突き

 合わせるためには各装置の時刻合わせが必須であり、その方法として、世界の

 各所に存在する「ウ」サーバから正確な時刻を取り込む、組織内に「ウ」サーバ

 を構築して組織内の情報システムの時刻合わせを行うなどの方法がある。また、

 「エ」リモートホストにログをリアルタイムに送信することができる機能を

 提供する仕組みであり、この機能を用いて各サーバのログを1か所に集めること

 でログの一元管理を実現できる。

  

 <(ア)~(エ)の解答群>

 ① Web  ② DNS  ③ アクセス権  ④ ID

 ⑤ OCR  ⑥ ハブ  ⑦ スイッチ   ⑧ SSH

 ⑨ DHCP  ⑩ IDS    ⑪ syslog     ⑫ FTP

 ⑬ 職位  ⑭ NTP  ⑮ SAN      ⑯ 所属組織

 

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電気通信主任技術者 過去問解説(伝送交換設備及び設備管理)問4(3)

 「伝送交換設備及び設備管理」の問4(3)では基本的に計算問題が出てきます。

 log(対数計算)が出てきたことで、中にはアレルギーを起こす人がいるかも

 しれませんがちょっと待って下さい。

 

 基盤の信頼性に関する問題は出題率も高く、数値を少し変えただけの場合が

 ほとんどなので、計算手順をド忘れしてしまっても流れを覚えているだけで

 答えがなんとなく分かってしまうこともあります。

 

 logとは何か?から解説していきますので、最後までご覧下さい。

 

 電気通信主任技術者 伝送交換設備及び設備管理

 過去問:令和元年 第2回 問4(3)

 ※日本データ通信協会 試験問題より引用

 

(3)次の文章は、基板の信頼性について述べたものである。

   「  」内の(キ)、(ク)に最も適したものを、下記の解答群から選び、

   その番号を記せ。ただし、基板は偶発故障期間にあり、メモリ素子個々の

   故障率は同一値とし、log e0.99=-0.01、e^-0.1=0.9とする。

 

  10,000個のメモリ素子を組み込んだ基板の使用開始後50時間における信頼度が

 0.99であるとき、メモリ素子1個当たりの故障率は、「キ」FITである。また、この

 基板の使用開始後500時間以内に故障する確率は、「ク」%である

 

 <(キ)、(ク)の解答群>

 ① 2x10^-8  ② 1.98x10^-6  ③ 2x10^-4  ④ 5

 ⑤ 10    ⑥ 20     ⑦ 50    ⑧ 80

 ⑨ 90    ⑩ 1.98x10^3   ⑪ 2x10^5 

 

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電気通信主任技術者 過去問解説(伝送交換設備及び設備管理)問4(2)

電気通信主任技術者 伝送交換設備及び設備管理

 過去問:令和元年 第2回 問4(2)

 ※日本データ通信協会 試験問題より引用

 

(2)次の文章は、システムの信頼性について述べたものである。

   「  」内の(オ)、(カ)に最も適したものを、下記のそれぞれ

   の解答群から選び、その番号を記せ。

 

( i )アベイラビリティについて述べた次のA~Cの文章は「オ」

 A  与えられた時点でシステムが動作可能である確率は、一般に、瞬間アベイラ

   ビリティなどといわれる。

 B  MTBFMTBFMTTRの和で除したものは、一般に、運用アベイラビリティ

   いわれる。

 C  MUT(平均アップ時間)をMUTとMDT(平均ダウン時間)の和で除したもの

   は、一般に、固有アベイラビリティといわれる。

 

 <(オ)の解答群>

 ① Aのみ正しい   ② Bのみ正しい     ③ Cのみ正しい

 ④ A、Bが正しい    ⑤ A、Cが正しい  ⑥ B、Cが正しい

 ⑦ A、B、Cいずれも正しい  ⑧ A、B、Cいずれも正しくない

 

 

 

 ( ii )信頼性の事前評価について述べた次の文章のうち、誤っているもの

   「カ」である。

 ① 製品の開発を進めていく際に、進捗の各節目ごとに関係者が集まって行われる

   設計審査会は、一般に、デザインレビューといわれる。

 ② FTAは、一般に、故障の発生頻度が高い、発生時の被害が大きいなどの重要な

   故障モードに対して実施すると効果的である。

 ③ 故障の因果関係を樹木状に展開する故障解析手法の一つにETAがあり、これは

   基本的な故障要因を想定してその影響を事前に分析しておくという考え方に基

   づいた手法である。

 ④ 現象から原因に向かってトップダウンの手法により故障波及状況や影響度など

   を解析する手法として、FMEAがある。

 

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電気通信主任技術者 過去問解説(伝送交換設備及び設備管理)問4(1)

 電気通信主任技術者 伝送交換設備及び設備管理

 過去問:令和元年 第2回 問4(1)

 ※日本データ通信協会 試験問題より引用

 

(1)次の文章は、アウトソーシングなどの概要について述べたものである。

   「  」内の(ア)~(エ)に最も適したものを、下記の解答群から選び、

   その番号を記せ。ただし、「  」内の同じ記号は、同じ解答を示す。

 

  組織が部品やユニットの製造などを外部の組織に委託することについて、狭い

 意味で「ア」という言葉が用いられており、また、JIS Z 8141:2001生産管理用語

 において、「ア」とは、自社(発注者側)の指定する設計・仕様・納期によって、

 外部の企業に、部品加工又は組立を委託する方法とされている。さらに、設計や

 人事、経理などの業務を外部の組織に委託することも含め、これらを総称して、

 一般に、アウトソーシングという言葉が用いられている。

  アウトソーシングの委託側企業は、一般に、自社の強みとなる「イ」を特定し、

 経営資源「イ」に集中させ、業務効率を高めるために部門機能の一部又は全て

 を外部の企業に委託する。例えば、業務プロセスの効率化や最適化を目的に、企業

 が社内の業務処理の一部を専門の事業者にアウトソーシングすることは、英語表記

 の頭文字をとって、一般に、「ウ」といわれる。この「ウ」の代表的なモデルとし

 ては、コールセンタやヘルプデスクサービスが挙げられる。

  情報通信ネットワーク安全・信頼性基準(昭和62年郵政省告示第73号)及び附則

 における管理基準では、工事・設備更改における体制において、工事及び設備更改

 を委託する場合は、委託契約により工事及び責任の範囲を明確にすること、また、

 平常時の取組における工事の方法において、委託事業者等を含めた関連部門間で

 「エ」を作成するとともに、その内容の検証を行うこととしている。

 

  

 

 <(ア)~(エ)の解答群>

 ① 内作   ② ITO    ③ ベンチマーク   ④ 工事手順書

 ⑤ OEM     ⑥ 外注  ⑦ 施工計画書    ⑧ シェアドサービス

 ⑨ PMO     ⑩ 調達  ⑪ コアコンピタンス ⑫ 工事監督指示書

 ⑬ 業務移管 ⑭ BPO   ⑮ 共通仕様書    ⑯ トレーサビリティ

 

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