電気通信主任技術者 過去問解説(伝送交換設備及び設備管理)問1(2)

電気通信主任技術者 伝送交換設備及び設備管理

 過去問:令和元年 第2回 問1(2)

 ※日本データ通信協会 試験問題より引用

 

(2)次の文章は、VoIP技術を用いた電話について述べたものである。

   「  」内の(オ)、(カ)に最も適したものを、下記のそれぞれ

   の解答群から選び、その番号を記せ。

 

( i )VoIP技術を用いた電話サービスなどについて述べた次の文章のうち、誤って

   いるもの「オ」である。

 ① VoIP技術を用いて電気通信事業者が提供する音声通話サービスはIP電話

   いわれ、電気通信事業者は、一般に、IPネットワークを利用している。

 ② 公衆交換電話網(PSTN)と同様の0AB~J番号や050で始まるIP電話用の

   電気通信番号は、関係法令に定めるIP電話の品質要件に基づいてIP電話事業

   者に割り当てられる。

 ③ 050で始まる電気通信番号を持つIP電話の端末設備等相互間の片方向の平均

   遅延時間は、事業用電気通信設備規則などにおいて400ms未満とされている。

 ④ IP電話で利用される050番号の構成において、050に続く4桁は市内局番で

   あり、電気通信番号と電話が設置された地域とが関係付けられている。

 

 

 ( ii )IP電話で利用される音声の符号化技術について述べた次の文章のうち、正しい

   もの「カ」である。

 ① IP電話で用いられる音声符号化方式の一つであるPCM方式では、一般に、

   周波数帯域が300Hz~3.4kHzのアナログ音声信号を4kHzで標本化した後に、

   量子化と符号化を行っている。

 ② PCM方式における非直線量子化では、小振幅信号に対しては粗いステップで、

   大振幅信号に対しては細かいステップでそれぞれ量子化することによって、

   量子化雑音を小さく抑えている。

 ③ CS-ACELP方式では、コードブックに登録された波形パターンの番号と、過去

   に入力された音声信号から予測される音響特性データを送信し、受信側では、

   これらの情報から元の音声波形を予測して生成している。

 ④ ITU-T勧告G.722で規定された音声符号化方式では、符号化の対象帯域が50Hz

   ~7kHzであり、SB-ADPCM(帯域分割適応差分パルス符号変調)を用いて、

   符号化データをPCM方式の2倍のビットレートで伝送している。

 

 

 

 

 

 解答:

 

 ( i ) ④が誤りとなります。

  正しくは、

  IP電話で利用される050番号の構成において、050に続く4桁は 市内局番

  事業者番号であり、電気通信番号と電話が設置された地域とは関係付け

  られている。無関係である

 

  ※平成28年度 第2回試験でも解答が同様の問題が出題されました。

 

 ( ii )③が正しいとなります。

  ①②④の正しい文章は、

  ① IP電話で用いられる音声符号化方式の一つであるPCM方式では、一般に、

    周波数帯域が300Hz~3.4kHzのアナログ音声信号を4kHz8kHzで標本化した

    後に、量子化と符号化を行っている。

  ② PCM方式における非直線量子化では、小振幅信号に対しては粗い細かい

    ステップで、大振幅信号に対しては細かい粗いステップでそれぞれ量子化

    することによって、量子化雑音を小さく抑えている。

  ④ ITU-T勧告G.722で規定された音声符号化方式では、符号化の対象帯域が

    50Hz~7kHzであり、SB-ADPCM(帯域分割適応差分パルス符号変調)を

    用いて、符号化データをPCM方式と2倍のビットレート同等の64kb/s

    伝送している。

 

  ※平成28年度 第2回試験でも解答が同様の問題が出題されました。