電気通信主任技術者 伝送交換設備及び設備管理
過去問:令和元年 第2回 問2(2)
※日本データ通信協会 試験問題より引用
(2)次の文章は、開口面アンテナの特徴、特性などについて述べたものである。
「 」内の(オ)、(カ)に最も適したものを、下記の解答群から選び、
その番号を記せ。
( i )開口面アンテナの種類と特徴について述べた次の文章のうち、正しいものは、
「オ」である。
① 軸対称のパラボラ反射鏡の焦点に一次放射器を設置するパラボラアンテナで
は、一次放射器がパラボラ反射鏡の開口効率を低下させるブロッキングの
一因となる。
② 一次放射器、支持物などが電波の放射する領域内には設置されないオフセット
パラボラアンテナは、軸対称のパラボラアンテナと比較して、サイドローブ
特性は劣るが、電波の遮蔽や散乱を低減できる。
③ 主反射鏡に軸対称の回転放物面、副反射鏡に軸対称の回転双曲面を用いる
カセグレンアンテナは、一次放射器と無線送受信機を直結できないという
特徴を有する。
④ 角すい形ホーンとパラボラ反射鏡で構成されるホーンリフレクタアンテナは、
一次放射器に給電する方向と電波の放射方向を同じにできるという特徴を有
する。
( ii )開口面アンテナの特性について述べた次の文章のうち、誤っているものは、
「カ」である。
① 固定された2地点間の通信に用いられる開口面アンテナに求められる特性と
しては、一般に、ルート間干渉を少なくするための鋭い指向性、高い利得、
高い交差偏波識別度、広い無線周波数帯域にわたる良好なインピーダンス
特性などがあげられる。
② アンテナ開口効率は、一般に、アンテナの幾何学的面積に対する実効面積の
比率であり、利得係数に等しい。
③ アンテナの利得は、アンテナの開口面積、開口効率の2乗、無線周波数に
比例する。
④ 交差偏波識別度は、アンテナにおいて、直線偏波における垂直偏波と水平
偏波、又は円偏波における右旋円偏波と左旋円偏波を識別できる能力を表す。
解答:
( i )①が正しいとなります。
②③④の正しい文章は、
② 一次放射器、支持物などが電波の放射する領域内には設置されないオフセ
ットパラボラアンテナは、軸対称のパラボラアンテナと比較して、サイド
ローブ特性は劣るが、サイドローブ特性も良く、電波の遮蔽や散乱を低減
できる。
③ 主反射鏡に軸対称の回転放物面、副反射鏡に軸対称の回転双曲面を用いる
カセグレンアンテナは、一次放射器と無線送受信機を直結できない直結で
きるという特徴を有する。
④ 角すい形ホーンとパラボラ反射鏡で構成されるホーンリフレクタアンテナ
は、一次放射器に給電する方向と電波の放射方向は同じにできる異なる。
※平成27年度 第2回試験でも解答が同様の問題が出題されました。
( ii ) ③が誤りとなります。
正しくは、
アンテナの利得は、アンテナの開口面積、開口効率に比例し、無線周波数の
2乗に比例する。
※平成27年度 第2回試験でも解答が同様の問題が出題されました。