電気通信主任技術者 伝送交換設備及び設備管理
過去問:令和元年 第2回 問3(3)
※日本データ通信協会 試験問題より引用
(3)次の文章は、安全衛生管理の概要について述べたものである。
「 」内の(キ)、(ク)に最も適したものを、下記のそれぞれ
の解答群から選び、その番号を記せ。
( i )労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)について述べた次の文章の
うち、誤っているものは、「キ」である。
① OSHMSは、一般に、事業者が労働者の協力の下にPDCAサイクルを定め、
継続的な安全衛生管理を自主的に進めることにより、労働災害の防止と
労働者の健康増進、さらに進んで快適な職場環境を形成し、事業場の安全
衛生水準の向上を図ることを目的とした安全衛生管理の仕組みとされている。
② OSHMSでは全社的な安全衛生管理を推進するため、一般に、経営トップに
よる安全衛生方針の表明、次いでOSHMSの各級管理者の役割、責任及び
権限を定めてOSHMSの各級管理者を指名し、OSHMSを適正に実施、運用
する体制を整備することが求められている。
③ OSHMSのガイドラインとして、国内では厚生労働省から労働安全衛生マネ
ジメントシステムに関する指針(OSHMS指針)が示されており、この指針は、
国際的な基準であるILOのOSHMSに関するガイドラインに準拠している。
④ 厚生労働省のOSHMS指針では、事業者は、労働基準法に基づく指針に従って
危険性又は有害性等を調査する手順を定めるとともに、この手順に基づき、
危険性又は有害性等を調査するよう規定されている。
( ii )安全衛生管理で用いられる用語について述べた次の文章のうち、正しい
ものは、「ク」である。
① ヒヤリハット活動は、一般に、仕事をしていて、もう少しでけがをすると
ころだったというような、ヒヤっとした、あるいはハッとしたことを取り
上げ、災害防止に結びつけることが目的とされており、仕事にかかわる危険
有害要因を把握する方法として有効である。
② ハインリッヒの法則は、1:29:300の法則ともいわれ、330件の事故を
危険有害要因別に分析すると、300件の事故の危険有害要因が共通しており、
その共通する危険有害要因を分析・排除することが有効であることを指摘
している。
③ 指差呼称は、対象を指で差し、声に出して確認する行動によって、意識レベル
をフェーズ理論で区分しているフェーズⅠに上げ、緊張感や集中力を高める
効果を狙った行為とされている。
④ 危険予知訓練は、一般に、職場や作業の状況のなかに潜む危険要因とそれが
引き起こす現象をイラストシートを使って小集団で話し合い、危険のポイント
や行動目標を確認するものであり、一般的な手法としてデルファイ法がある。
解答:
( i ) ④が誤りとなります。
正しくは、
厚生労働省のOSHMS指針では、事業者は、労働基準法労働安全衛生法に基づく
指針に従って危険性又は有害性等を調査し、その結果に基づいて労働者の危険
又は健康障害を防止するため必要な措置を講ずるように努めなければならない。
( ii )①が正しいとなります。
②③④の正しい文章は、
② ハインリッヒの法則は、1:29:300の法則ともいわれ、1件の重大事故の
背景には29件の軽微な事故と、300件のヒヤリハットが隠れているという
もの。
③ 指差呼称は、対象を指で差し、声に出して確認する行動によって、意識レ
ベルをフェーズ理論で区分しているフェーズⅠフェーズⅢに上げ、緊張感
や集中力を高める効果を狙った行為とされている。
④ 危険予知訓練は、一般に、職場や作業の状況のなかに潜む危険要因とそれ
が引き起こす現象をイラストシートを使って小集団で話し合い、危険のポ
イントや行動目標を確認するものであり、一般的な手法としてデルファイ法
4R法がある。