電気通信主任技術者 過去問解説(伝送交換設備及び設備管理)問4(2)

電気通信主任技術者 伝送交換設備及び設備管理

 過去問:令和元年 第2回 問4(2)

 ※日本データ通信協会 試験問題より引用

 

(2)次の文章は、システムの信頼性について述べたものである。

   「  」内の(オ)、(カ)に最も適したものを、下記のそれぞれ

   の解答群から選び、その番号を記せ。

 

( i )アベイラビリティについて述べた次のA~Cの文章は「オ」

 A  与えられた時点でシステムが動作可能である確率は、一般に、瞬間アベイラ

   ビリティなどといわれる。

 B  MTBFMTBFMTTRの和で除したものは、一般に、運用アベイラビリティ

   いわれる。

 C  MUT(平均アップ時間)をMUTとMDT(平均ダウン時間)の和で除したもの

   は、一般に、固有アベイラビリティといわれる。

 

 <(オ)の解答群>

 ① Aのみ正しい   ② Bのみ正しい     ③ Cのみ正しい

 ④ A、Bが正しい    ⑤ A、Cが正しい  ⑥ B、Cが正しい

 ⑦ A、B、Cいずれも正しい  ⑧ A、B、Cいずれも正しくない

 

 

 

 ( ii )信頼性の事前評価について述べた次の文章のうち、誤っているもの

   「カ」である。

 ① 製品の開発を進めていく際に、進捗の各節目ごとに関係者が集まって行われる

   設計審査会は、一般に、デザインレビューといわれる。

 ② FTAは、一般に、故障の発生頻度が高い、発生時の被害が大きいなどの重要な

   故障モードに対して実施すると効果的である。

 ③ 故障の因果関係を樹木状に展開する故障解析手法の一つにETAがあり、これは

   基本的な故障要因を想定してその影響を事前に分析しておくという考え方に基

   づいた手法である。

 ④ 現象から原因に向かってトップダウンの手法により故障波及状況や影響度など

   を解析する手法として、FMEAがある。

 

 

 

 

 

 解答:

 

 ( i ) ① Aのみ正しいとなります。

  アベイラビリティとは、システムやサービスを使いたい時にすぐ使える状態で

  あることをいいます。

  B、Cの正しい文章は、

  B MTBFMTBFMTTRの和で除したものは、一般に、運用固有アベイラビリ

     ティといわれる。

    ※固有アベイラビリティMTBF /(MTBF + MTTR

     MTBF:故障から故障までの期間の平均値。大きいほど信頼性が高い。

     MTTR:修理に要する時間の平均値。小さいほど保全度が高い。

 

  C MUT(平均アップ時間)をMUTとMDT(平均ダウン時間)の和で除した

     ものは、一般に、固有運用アベイラビリティといわれる。

    ※運用アベイラビリティ = MUT /(MUT + MDT)

 

 ( ii )④が誤りとなります。

  正しくは、

  現象から原因に向かってトップダウンの手法により原因を追及していく手法は

  FTAであり、部品レベルの故障がシステムに及ぼす影響などをボトムアップ

  に解析していく手法として、FMEAがある。

     FTA:重大事故をトップに、ツリー上に原因を展開して事故防止策を講

         ずるもの。

 

   ※平成28年度 第1回試験でも解答が同様の問題が出題されました。