低圧電気取扱業務特別教育(電気工事士との違い)

目次 

  

1.低圧電気取扱業務特別教育とは

 建設業工事に関わる方には馴染みの言葉と思いますが、電気工事や電気通信工事

 などの建設業工事では、資格・免許とは別に「特別教育」というものが存在します。

 

 低圧電気取扱業務特別教育は、事業者が感電の恐れがある作業と判断した場合に

 特別教育の実施を必要としています。

 

 その内容は、低圧電気(直流750V以下、交流600V以下が対象)の取扱い業務は

 労働安全衛生規則により「危険又は有害な業務」に指定されています。

 感電災害による死亡事故撲滅のため、事業者への特別教育の実施が求められて

 います。

 

 感電の恐れがある作業

  ・低圧の充電電路の敷設若しくは修理の業務

  ・配電盤室、変電室等区画された場所に設置する低圧の電路のうち充電部分が

   露出している開閉器の操作の業務

 

 罰則

 労働安全衛生法において、特別教育が必要な作業にその教育を実施していない場合

 6か月以下の懲役、又は50万円以下の罰金が適用される場合があります。

 

2.電気工事士とは全く別物

 「電気工事士」が、欠陥工事を行ったことによる災害を防止するため、経済産業省

 より指定された筆記・実技試験を合格した者のみ電気工事を行うことが義務付けら

 れております。

 

 「低圧電気取扱業務特別教育」は、講習を受けたから電気工事を行えるものでは

 なく、感電の恐れがある低圧電気の取扱いにおいて労働者の安全と健康を確保する

 ことを目的とした特別教育となります。

 

 

3.講習会のカリキュラム

 講習会のカリキュラムには学科と実技があり、決められた時間の受講を行った上、

 実技報告書を提出する必要があります。

 実技講習は取扱う作業により、受講時間は変わります。

 

 ◆学科

  • 低圧の電気に関する基礎知識:1時間
  • 低圧の電気設備に関する基礎知識:2時間
  • 低圧用の安全作業用具に関する基礎知識:1時間
  • 低圧の活線作業及び活線近接作業の方法:2時間
  • 関係法令:1時間

 合計 7時間

 

 ◆実技

 低圧の活線作業及び活線近接作業の方法:※7時間以上

  開閉器の操作業務のみの場合、実技は1時間以上でよい

 

 

 活線作業とは電路の敷設や修理など、上記で表した作業を行う際、電圧がかかった

 状態で行うことです。

 電圧がかかった状態ですと、電線のショートにより感電の恐れがあるため、通常は

 無電圧の状態で作業(停電作業)を行うことが望ましいです。