電気通信主任技術者 過去問解説(伝送交換設備及び設備管理)問1(3)

電気通信主任技術者 伝送交換設備及び設備管理

 過去問:令和元年 第2回 問1(3)

 ※日本データ通信協会 試験問題より引用

 

(3)次の文章は、IPv6の特徴などについて述べたものである。

   「  」内の(キ)、(ク)に最も適したものを、下記のそれぞれ

   の解答群から選び、その番号を記せ。

 

( i )IPv6の特徴について述べた次の文章のうち、正しいもの「キ」である。

 ① IPv6アドレスとしてエニーキャストアドレスを指定して送付されたパケット

   は、利用しているルーティングプロトコルのメトリックなどで決まる最も

   近いインタフェースに送られる。

 ② IPv6において、リンク上に存在する全てのノード宛の通信には、IPv4と同様

   にブロードキャストアドレスが使用される。

 ③ IPv6のアドレス長は128ビットであり、16ビットごとにドット記号で区切って

   16進数で表記される。ドット記号で区切られたフィールドにおいて先頭から

   連続する0は表記の省略が可能である。

 ④ IPv6のグローバルユニキャストアドレスは、一般に、グローバルID、サブ

   ネットID及びインタフェースIDで構成され、サブネットIDは通常64ビット

   長である。

 

 ( ii )IPv6におけるプロトコル技術などについて述べた次の文章のうち誤ってい

   るものは、「ク」である。

 ① ICMPv6メッセージは、ICMPv6パケットを用いてやり取りされ、パスMTU

   探索、近隣探索、マルチキャストリスナー探索などで利用される。

 ② ICMPv6における近隣探索の機能では、IPv6ホスト自身がIPv6アドレスを

   自動的に設定するステートフルアドレス自動生成機能、IPv6アドレスが同一

   リンク上の他のノードで利用されていないことを確認する重複アドレス検出

   機能などが利用されている。

 ③ DHCPv6は、IPv6ホストにIPアドレスなどの情報を自動設定するためのプロ

   トコルであり、サーバの探索や設定情報の要求に対して、リンクローカル

   アドレスを用いている。

 ④ DNSサーバは、ドメイン名・ホスト名とIPアドレスとを対応づけるために

   リソースレコードといわれる形式のデータを用いている。IPv6アドレス情報

   を登録・検索するためのリソースレコードのタイプはAAAAである。

 

 

 

 

 

 解答:

 

 ( i )①が正しいとなります。

  ②③④の正しい文章は、

  ② IPv6にはブロードキャストアドレスは存在しませんマルチキャストアド

    レスが同じ役割を果たします。

  ③ IPv6のアドレス長は128ビットであり、16ビットずつドット記号コロン(;)

    で区切り8フィールドに分け16進数で表記されます。

  ④ IPv6のグローバルユニキャストアドレスは、一般に、グローバルID、サブ

    ネットID及びインタフェースIDで構成され、サブネットIDは通常64ビット長

    16ビット長である。

    ※インタフェースIDが64ビット長となります。

 

( ii ) ②が誤りとなります。

  正しくは、

  ICMPv6における近隣探索の機能では、IPv6ホスト自身がIPv6アドレスを

  自動的に設定するステートフルアドレス自動生成機能、IPv6アドレスが同一

  リンク上の他のノードで利用されていない利用されていることを確認する

  重複アドレス検出機能などが利用されている。