電気通信主任技術者 専門的能力:無線
過去問:令和元年 第2回 問3(1)
※日本データ通信協会 試験問題より引用
(1)次の文章は、移動体通信に用いられるダイバーシチ技術について述べたもの
である。「 」内の(ア)~(エ)に最も適したものを、下記の解答群から
選び、その番号を記せ。ただし、「 」内の同じ記号は、同じ解答を示す。
移動体通信では「ア」によって受信強度の低下が生じ、その低下量は移動機の
位置、周波数又は時間によって変化する。ダイバーシチ技術とは、複数の受信
信号を得る手段を設け、それらを合成することにより「ア」の影響を緩和する
ものである。
複数の入力信号を得る経路はダイバーシチブランチ又はブランチといわれる。
ダイバーシチの効果を得るにはブランチ間において信号の変動の「イ」ことが
望ましい。このようなブランチを得る方法には、空間ダイバーシチ、時間ダイバー
シチなどがある。スペクトル拡散通信で用いられるRAKE方式は遅延時間軸上で
分離した信号をブランチとするものであり、「ウ」ダイバーシチといわれる。
ダイバーシチブランチの信号を合成する方法には、選択合成法、「エ」などが
ある。選択合成方法は受信レベルが高いブランチ又はS/Nが最も良いブランチ
を選択し、切り換えて使う方法である。また、「エ」は、振幅と位相の両方を
調整して、S/Nが最大となる出力を得る方法である。
<(ア)~(エ)の解答群>
① 相関が小さい ② パス ③ 等利得合成法 ④ 熱雑音
⑤ 相関が大きい ⑥ サイト ⑦ 最大比合成法 ⑧ AMC
⑨ 位相が等しい ⑩ 指向性 ⑪ CPFSK ⑫ 偏波
⑬ マルチパスフェージング ⑭ レベルが等しい
⑮ 隣接チャネル干渉 ⑯ 人工雑音
解答:
移動体通信では「マルチパスフェージング」によって受信強度の低下が生じ、
その低下量は移動機の位置、周波数又は時間によって変化する。ダイバーシチ技術
とは、複数の受信信号を得る手段を設け、それらを合成することにより「マルチパ
スフェージング」の影響を緩和するものである。
複数の入力信号を得る経路はダイバーシチブランチ又はブランチといわれる。
ダイバーシチの効果を得るにはブランチ間において信号の変動の「相関が小さい」
ことが望ましい。このようなブランチを得る方法には、空間ダイバーシチ、時間
ダイバーシチなどがある。スペクトル拡散通信で用いられるRAKE方式は遅延時間
軸上で分離した信号をブランチとするものであり、「パス」ダイバーシチといわ
れる。
ダイバーシチブランチの信号を合成する方法には、選択合成法、「最大比合成法」
などがある。選択合成方法は受信レベルが高いブランチ又はS/Nが最も良いブラン
チを選択し、切り換えて使う方法である。また、「最大比合成法」は、振幅と位相
の両方を調整して、S/Nが最大となる出力を得る方法である。