アローダイアグラムを使った問題は出題頻度が非常に高いため、確実に得点を
確保できるよう押さえておきたいところです。
AI1種 技術及び理論
過去問:令和元年 第2回 第5問(5)
※日本データ通信協会 試験問題より引用
図に示す、工程管理などに用いられるアローダイアグラムにおいて、作業D、
作業E、作業F、作業J及び作業Kをそれぞれ1日短縮できるとき、短縮しても
クリティカルパスの所要日数を2日短縮するのに関係しない作業は、作業「オ」
である。
解答群:①D ②E ③F ④J ⑤K
解答:
②Eが正しいとなります。
クリティカルパスとは全工程を結んだとき、最も長くなる経路を指します。
実際の工事においては、クリティカルパスの経路上の作業が遅れると全体工程
が遅れてしまうため、管理者は早い段階で把握しておく必要があります。
ダミーアロー:
⑤⇢⑦のような破線は実際の作業ではないため、所要日数はありません。
並行して行われる作業の順序のみ表すものとなります。
◆では、各経路の所要日数を見ていきましょう。
クリティカルパスは24日となることがわかりました。
経路1:作業A(5日)⇒作業D(7日)⇒作業G(6日)⇒作業J(6日) =24日
経路2:作業A(5日)⇒作業D(7日)⇢作業H(3日)⇒作業J(6日) =21日
経路3:作業B(5日)⇒作業E(9日)⇒作業H(3日)⇒作業J(6日) =23日
経路4:作業B(5日)⇢作業F(7日)⇒作業I(3日)⇒作業H(3日)⇒作業J(6日) =24日
経路5:作業B(5日)⇢作業F(7日)⇒作業K(12日) =24日
経路6:作業C(3日)⇒作業F(7日)⇒作業I(3日)⇒作業H(3日)⇒作業J(6日) =22日
経路7:作業C(3日)⇒作業F(7日)⇒作業K(12日) =22日
◆次に各作業(作業D、E、F、J、K)を1日短縮していきましょう。
経路1:作業A(5日)⇒作業D(6日)⇒作業G(6日)⇒作業J(5日) =22日
※作業D、Jはクリティカルパス2日短縮させるのに必要であることが判明。
経路2:作業A(5日)⇒作業D(7日)⇢作業H(3日)⇒作業J(6日) =21日
※経路2はすでにクリティカルパス2日短縮した日数を下回っているため省略。
経路3:作業B(5日)⇒作業E(8日)⇒作業H(3日)⇒作業J(5日) =21日
※作業Jの短縮は経路1で必須であることが分かっているため、この時点で作業E
の短縮が不要であることが分かります。
作業Eを短縮しなくても所要日数は22日で条件を満たせます。
経路4:作業B(5日)⇢作業F(6日)⇒作業I(3日)⇒作業H(3日)⇒作業J(5日) =22日
※作業Jの短縮は経路1で必須であることが分かっているが、クリティカルパス
より2日短縮させるためには作業Fも1日短縮の必要があることが分かります。
経路5:作業B(5日)⇢作業F(6日)⇒作業K(11日) =22日
※作業Fの短縮は経路4で必須であることが分かっているが、クリティカルパス
より2日短縮させるためには作業Kも1日短縮の必要があることが分かります。
経路6:作業C(3日)⇒作業F(7日)⇒作業I(3日)⇒作業H(3日)⇒作業J(6日) =22日
※経路6はすでにクリティカルパス2日短縮した日数を下回っているため省略。
経路7:作業C(3日)⇒作業F(7日)⇒作業K(12日) =22日
※経路7はすでにクリティカルパス2日短縮した日数を下回っているため省略。